平成27年9月30日(水)~10月5日(月)6階催事場・6階美術画廊にて、松菱創業60周年記念企画 秋の美術大逸品を開催いたしております。
きっとどなたでも見たことがある巨匠や有名作家の絵画がずらりと並んでいます。
今回の目玉は、日本画を超えた日本画で世界で活躍する千住 博氏の作品の特集!6階美術画廊に、「ウォーターフォール」「タイドウォーター」「大和シリーズ」の本画をはじめ、詩情あふれるリトグラフ作品などが登場。
千住 博氏の「ウォーターフォール」、モチーフとの出会いを、著作物から一部抜粋してご紹介しますね。
自然が多く残っているハワイ島で、千住氏がヘリコプターに乗って絵の題材を探しているときのこと。鹿の一群を見つけ、ヘリコプターで近づいて行くと、鹿たちは一斉に逃げて行きましたが、一頭だけヘリコプターを睨みつけるボス鹿がいました。
ボス鹿は微動だにせず、ヘリコプターに乗っている千住氏を睨み続けている。その間にほかの鹿たちは、安全なところに逃げ込んで行きました。ボス鹿はそれを見届けると、まるでヘリコプターなど最初からいなかったように悠然と姿を消していきました。
それを見た千住氏は、「すごいものを見てしまった」と感激。
「この堂々とした迫力、存在感、生命感。これが美だ!これが私の描きたいと思い探していたものだ!」
その後アトリエに戻り、さっそく鹿を描いたものの、どうも思い描くものが描けません。
その時録画したビデオテープなどを見ると、その鹿のシーンの前に偶然滝が映っていました。
「ひょっとしたらこの滝を描いたら、そのときボス鹿に感じたものを描けるかもしれない。」
試行錯誤の末、上から下へビンに入れた絵の具を流し「滝を描く」のではなく「滝をそこにつくり出していく」ことに成功しました。
自分が感動したものを、なんとしてでも伝えたいという気持ちが、考え方の角度の変更や面白い方法を生み出したと、千住氏は著作の中で語っています。
千住氏の考える芸術とは、芸術家の伝えたい思いをかたちにして、国境や性別・年齢など関係なくいろんな人がいいなと感じるもの。それを見て「いいな」「美しいな」と実際に見たり、感じたりすることが大切だと。
実際の滝を目にしているような「ウォーターフォール」の静かな迫力をぜひ間近でご覧ください。
美術が好きな方はもちろんのこと、普段あまりアートに触れる機会のない方もきっと好きな絵や気になる絵がみつかるかも?
無料でご観覧いただけますので、ぜひ6階催事場・6階美術画廊に秋の芸術鑑賞しにいらしてくださいね。